今回は「健康支援と社会保障制度」についてです。

第113回看護師国家試験では、社保に関連した問題が31問出題されました。この分野は暗記が多く、かなり苦戦する分野なので、効果的な学び方について、いくつかのポイントを共有していきます。ぜひ参考にしてみください。

健康支援と社会保障制度のポイント

1)一般問題+状況設定問題が180点以上取れてからスタートする
2)必修問題と重なっている分野から学ぶ
3)出題基準の範囲を教科書から確認する

1)一般問題+状況設定問題が180点以上取れてからスタートする について

「健康支援と社会保障制度」に取り組む前に、まず一般問題と状況設定問題がどれくらい取れているか確認します。一般問題が130点満点、状況設定問題60問×2点=60点満点、合計250点となっています。直近の模擬試験で、あなたの一般+状況(相対基準)の点数は、何点でしょうか?

なぜ、こんなことを質問したかというと……

過去問を見ると、国試の科目別の出題数は、

人体+疾病+基礎看+成人看護>>>社会保障

となっています。どの年度をみても社会保障制度の問題数は多いですが、それでも人体、疾病、基礎看、成人を合計すると、これらの科目の方が多いのです。また、これらの科目はキーワードが重複しているもの、関連があるものが多いので、1つの科目を学ぶことで他の科目への理解も深まることが多いです。ですから、これらの科目の点数が安定してきた状態で、社会保障に取り組むことをおすすめします。

国試のボーダーラインの最高得点が167点であることから、模試や過去問にチャレンジし、一般問題+状況設定問題が180点を超えていれば、社保に取り組む準備ができた、と言えます。

 

2)必修問題と重なっている分野から学ぶ について

一般問題+状況設定問題の合計が180点以上を取ることができたら、社保の出題基準をチェックします。7ページ全171項目と、こちらもかなりのボリュームがあります。つまり、これだけのボリュームをこなすにはそれ相当の時間が必要ですから、一般問題+状況設定問題180点を早急に突破する必要があります。この連載で解剖を早く攻略して欲しい、と伝えている理由はここにあります。

では、効率よく学ぶためには……?
必修問題と重複している項目から学んでいくことをおすすめしています。



このように、「医療保険制度」と「介護保険制度」は「必修問題」、「健康支援と社会保障制度」どちらにも含まれている項目になります。まずは重複している項目から優先的に学習することで、効率よく点数を伸ばすことができます

 

3)出題基準の範囲を教科書から確認する について

実際の勉強法ですが、
1)出題基準の小項目(キーワード)に沿って、直近の過去問を解く。
2)その法律について、社保の教科書の後ろのほうのページ(主要法律の原文が掲載してある)や『国民衛生の動向』、その法律原文が掲載されているHP(ここから検索できますhttps://elaws.e-gov.go.jp/)を確認し、○×の根拠を理解する。
3)関連過去問を調べ、関連知識を学ぶ
という流れになります。

 
「健康支援と社会保障制度」は出題数も多く、範囲も広いため、時間をかけた割に点数が大幅に上昇しない可能性もあります。この分野を地道に努力し続けるには、「自分は合格ラインに乗っている」という心の余裕が必要です。そのためも、まずは解剖含めた疾患の理解、治療、看護を攻略して早めに合格ライン突破(一般問題+状況設定問題の合計180点以上)を目指しましょう!

今回の参考問題を一覧にしています、ぜひご覧ください。
第5回_社保_参考問題